キャストは次の通り指揮&演出=ヘルヴェルト・フォン・カラヤン
ドン・カルロ=ホセ・カレーラス
フィリッポ2世=フェルッチョ・フルラネット
ロドリーゴ=ピエロ・カップチッリ
エリザベッタ=フィアンマ・イッツォ・ダミーコ
エボリ公女=アグネス・バルツァ
こちらは4幕版です。
こちらはドン・カルロは3大テノールの一人であるカレーラスです。カレーラスのカルロは、この時は先程の
リマのカルロと比べると演技的な動きが少ないというか、目立った感じではない様に思えたのですが、歌唱の方はさすがに貫禄たっぷりです。カレーラスのこの時のカルロは、どちらかと言うと自分の殻の中に閉じこもってしまった雰囲気のカルロって感じに思えました。
それからリマのエリザベッタ命って雰囲気のカルロに対して、カレーラスのカルロはどちらかと言うとロドリーゴ命って雰囲気にも思えました。
しかし、この公演はカレーラスが白血病で倒れてしまう前の年の公演だったとか・・・。
でも無事に復帰したのが良かったです。
フルラネットのフィリッポは声質はロイドよりは少し線が細かったような・・・。
他では特に印象が残ったのがエボリ公女のバルツァです。
この人のエボリ公女はとにかく圧倒させられます。
何せ歌い方に凄いドスが効いた感じで、迫力満点!カルロを脅す所は勢いそのものでした。
カップチッリのロドリーゴは全てをカルロに捧げて自分の命はどうでも良い!って雰囲気が出ているようで痛々しさを感じさせてくれるのがグッと来るものを感じます。
この時にエリザベッタを演じたイッツォ・ダミーコは、確かこの当時まだ22歳くらいで若い為に、このキャラにしては声はちょっと線が細すぎるなぁ・・・と感じました。どちらかと言うと、ベルカント向きって所かな・・・?
カラヤンの指揮は、これまでに聴いた「ドン・カルロ」の中ではどちらかと言うとテンポが遅めのような気がしました。
演出は英国ロイヤル・オペラもザルツブルグ音楽祭もパッと見た目は大差はないって感じでしたが、英国ロイヤル・オペラの時の方がそれぞれの歌手の演技なんかで、個々のキャラクターの心情がはっきりと表れていたかな・・・って気がしました。
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