これは1979年頃の録音で、舞台のライブ録音ではなくスタジオ(?)録音っぽい感じのものでした。
指揮はリチャード・ボーニング、オーケストラはナショナル・フィルハーモニックで合唱はあの「スター・ウォーズ/ファントム・メナス」「スター・ウォーズ/クローンの攻撃」に挿入されていた合唱曲を歌っていたロンドン・ヴォイセスです。
まずはスケールの大きい迫力満点の序曲で始まるのですが、この後の祈りの合唱が迫力のある序曲とはうって変わって静かだったのが印象的でした。
全体的な曲やストーリーの流れを見ながら聴いていると、このオペラはインドが舞台になったストーリーなのですが、所々でインドの雰囲気をかもし出した様な雰囲気の旋律があったのが印象的でした。特に第二幕のカレドのアリアがそんな感じでした。
だけど、フランスオペラの独特の美しい旋律の音楽だったのが印象的でした。
まずはティムール役のジェームズ・モリスは威厳のある雰囲気の歌い方で、その中にも柔軟な雰囲気も持っている歌い方が印象的でした。
この中で一番強烈な印象が強かったのは、アリム役のルイス・リマと敵のシンディア役のシェリル・ミルンズです。
特にミルンズのストーカーぶりは映像でなくても強烈なくらい恐ろしい感じの歌い方で、第一幕二場のシータを脅す所や第二幕のアリムを陥れるところなんかは圧倒させられるものを感じます。それに終幕で脅威をさらしたところは、まるで吼えるような凄まじい勢いの歌い方だったので圧倒させられました。
一方リマは、この時はまだ彼が案外若い時のものなので声質は大勢で歌う時は他のミルンズやモリス、シータ役のジョーン・サザーランド等のベテラン歌手に覆われてしまっていた雰囲気にも感じられましたが、しかし完全に埋もれてしまった訳でないし、二幕でのシンディアに罵声を浴びせられた所なんかは細い声質ながらも、激しく激怒する様子が伺えて凄く良かったです。それに兵士達が言う事を聞かなくなったシーンでは、負傷して苦しい表現をしているのではと思いますが、声質に変化をつけていたのが印象的でした。それと二幕でシータと死別する時の歌い方は情熱的な雰囲気の中に優しさがあり、他では四幕二場のアリムのアリアでの情熱的な歌い方は何度聴いても魅力的でした。リマは演技力が凄いのですが、この時は彼は声優の素質もあったりして・・・と私なりに思っています。
サザーランドは慎ましやかで、純粋清純なシータのキャラが見事に現れていた感じで良かったです。
他に気になるところがあったのですが、二幕での兵士の合唱で、やる気が全く無いに歌い方だけが勇ましかったのが何でかな・・・?って思えてしまった・・・。まぁ言うとやっと戦場から戻れる喜びも中に秘められてるのかなぁ・・・とも感じました。
このオペラは全体的に見て、音楽は美しくストーリーも幻想的と言うかファンタジー的な雰囲気で面白かったのですが、構成がなんだか変わっていると言うか・・・(^^;)一幕は二場あって二幕と三幕は一場だけ、そして四幕も二場構成で五幕は一場。
この中で気になったのは他の幕に比べると三幕が短い気がしました。三幕では恐らくバレエが挿入されている感じなのですが(私の想像です)歌の所はソロが少ないなぁ・・・と感じました。それと四幕ですが、四幕一場が何とシータのアリア1曲だけで終わってしまっていたのがあっけない雰囲気がありました。
一幕二場でシータが窮地に立たされるところで、シンディアがティムール達を呼ぶ為にゴングを鳴らすのですが、その後で歌われる合唱曲・・・これ・・・何か過去に何処かで聴いた事がある様な・・・って感じでした。。。僅かながら何か記憶にあるんですよねぇ。。。
「ラオールの王」Story攻略[0回]
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