この歌劇は皇帝ヨーゼフ2世が命じた事がきっかけで作曲されたそうです。
このオペラの題名の意味は、「女は皆、こうしたもの」という事で人間の内面を引き出すような内容になっています。内容はとにかく観ているだけで爆笑なのですが、ちょっと人事では済まされないって感じもします。
台本・・・ダ・ポンテ
作曲年・・・1789年~1790年
初演・・・1790年、ウイーン・ブルク劇場
登場人物フィオルディリージ(ソプラノ)
ドラベッラ(メゾ・ソプラノ)
フェランド(テノール)
グリエルモ(バス)
ドン・アルフォンゾ(バス)
デスピーナ(ソプラノ)
あらすじ第一幕1790 年頃のナポリのカフェで、2人の若い士官のフェランドとグリエルモにはそれぞれ姉妹の恋人がおり、自分達の恋人を自慢しています。しかし2人の自慢話を聞いていた老哲学者のドン・アルフォンゾが自分の昔の経験からして、貞節な女なんて絶対にいないと言い出したことで、2人の士官はその言葉に頭に来てアルフォンゾと賭け事をする事になります。
海辺の庭園で恋人である士官が来るのを待ち続けているフィオルディリージとドラベッラの姉妹の所へ悲しそうな顔をしてアルフォンゾがやって来ます。彼は姉妹の恋人達が国王の命令で戦場へ出なければならないと告げますが、これは実は賭けをする為に嘘をついているのです。そこへアルフォンゾの指示通りに芝居をしたフェランドとグリエルモが登場。本当は戦場に行くというのは完璧な嘘なのですが、いかにも本当に戦場に行かねばならない様な振りをして、恋人達と別れを惜しみます。アルフォンゾが用意した船で戦場に2人の士官を送る振りをして、何も知らない2人の恋人である姉妹は悲しげに見送ります。
その後、再びアルフォンゾの指示でアルバニア人に変装したフェランドとグリエルモの2人が登場。恋人が戦場に行ってしまって淋しそうにしている姉妹をフェランドがフィオルディリージを、グリエルモがドラベラを口説き始めます。
その前に姉妹の女中のデスピーナが悲しみにくれている姉妹を励ましているのですが、またこの励ましが浮気を勧めるような励ましで姉妹を怒らせます。
アルバニア人に変装した2人の士官に口説かれて、姉妹達は頑なに変装した2人を拒み続けますが、なかなか落ちない姉妹に対してアルフォンゾが再び芝居を指示します。今度は毒を飲んでもがき苦しむ振りをするのですが、そこへデスピーナも芝居をしてニセ医者に変装してインチキ治療を試みます。インチキ治療で元気になった振りをするフェランドとグリエルモは再び2人の姉妹を口説き始め、キスを迫りますが、姉妹はこの行為に怒り出し、大騒ぎになります。
第二幕デスピーナは姉妹の心が変わるように仕向けようとし、姉妹も次第にアルバニア人に惹かれ始めていきます。
ドラベッラの方はアルバニア人に変装したグリエルモに遂に落とされてしまうのですが、フェランドはなかなかフィオルディリージを落す事が出来ません。フェランドはフィオルディリージが落ちなかった事をグリエルモに伝えると、ドラベッラが落ちた事を聞かされ、動揺します。しかし、アルフォンゾはなおもフィオルディリージを落そうと、もう一芝居指示を出します。
フィオルディリージは絶対にアルバニア人に変装したフェランドからの誘惑に屈しないようにする為、グリエルモが行っている筈の戦場へ自分も行く決心をします。しかし、そこへアルフォンゾの指示でアルバニア人に変装したフェランド登場。物凄いフェランドからの口説きにさすがのフィオルディリージも遂に陥落。。。
そしてアルフォンゾはこのフィオルディリージ&フェランド・ドラベッラ&グリエルモのカップルの結婚式を演出します。
婚礼で2組のカップルが喜び合っている時に(グリエルモは冷めていますが)アルフォンゾは軍隊が帰ってきたと告げます。そしてアルバニア人2人は隠れてアルフォンゾの指示通りに動いて再び元の士官の姿に。。。
そして結婚証明書を見つけて、それを突きつけて姉妹の浮気を激しく責め立てます。事の重大さに気が付いた姉妹は死を覚悟し、そこでアルフォンゾがこれまでの事は全て芝居であった事を告白。当然の事ながら騙された姉妹はアルフォンゾを責めますが、アルフォンゾはまた再び元のカップルに戻して終わりです。
YUKIのコメントこのオペラに関しては全曲では音大在学中に学校でのオペラ上演会を何度か鑑賞しましたが、全てハッピーエンドって感じに仕上がっていました。しかし、ポネル演出の1988年製作の映像では、それぞれのキャラクターの心情が露になった感じで、最後が悲しげな悲壮感漂った感じのラストになっていたのがこのオペラでの、お笑いコメディーではあるが、実際にその状況に自分がおかれたら人事・笑い事では済まされない・・・って感じが物凄く現れていたと思います。
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