プッチーニのオペラの中で最高だった・・・と言われている作品だそうです。どうやら、ヴェルディもこのストーリーのオペラ化に羨ましく思ったとか。。。(^_^;)
台本・・・ルイージ・イルリカ、ジュセッペ・ジャコーザ
作曲年・・・1898~1899年
初演・・・1900年1月 コスタンツィ劇場(ローマ)
登場人物フローリア・トスカ(ソプラノ)
マリオ・カヴァラドッシ(テノール)
スカルピア(バリトン)
アンジェロッティ(バス)
教会の番人(バリトン)
スポレッタ(テノール)
シャローネ(バス)
看守(バス)
あらすじ第一幕1800年頃の6月、ローマの聖アンドレア・デラ・ヴァレル教会の聖堂内に政治犯アンジェロッティが逃げ込んできて鍵を探そうとしている。
その逃げ込んだ聖堂では友人で画家のカヴァラドッシがマリア像を描いていました。偶然の友人同士の再会に2人共驚くのですがカヴァラドッシは政治犯として追われている身のアンジェロッティを助ける事を約束します。この事が最後の恋人同士の悲劇に繋がるって感じです。
カヴァラドッシとアンジェロッティが2人でいる時にカヴァラドッシの恋人トスカがやって来る気配を感じ、カヴァラドッシは友人に慌てて弁当箱を渡して、彼を隔離します。そこへトスカ登場。
トスカは恋人ガヴァラドッシが描いているマリア像が自分と違うタイプで、アッタンヴィ家の侯爵夫人と似ていると感じて凄いヤキモチを焼いて、恋人にマリア像の目が青いので「黒くしろ!」等と注文を付けてその場から立ち去ります。実はアッタンヴィ侯爵夫人はアンジェロッティの妹だったのです。
トスカが立ち去ったのでカヴァラドッシはアンジェロッティに逃げ場所を教え、自分の郊外にある別荘を紹介し、身に危険が迫ると庭にある古井戸に隠れる事を勧めて急いで立ち去ります。
そこへ教会の看守がローマ軍がナポレオンの軍勢を倒した・・・という知らせをもって慌ててやって来たかと思うと聖歌隊メンバーや僧侶達と共に大フィーバーしてハシャギまくっています。
彼らがハシャギまくっていたら、警視総監のスカルピアが脱獄犯をしょっ引いていこうと意気込んでやって来ます。
スカルピアは教会内のマリア像やそこら辺にある物に目を光らせて、マリア像を描いているのがカヴァラドッシである事に感づきます。
この事に感付いたスカルピアは企みを思いつくのですが、彼はカヴァラドッシの恋人のトスカに変な思いを抱いているのです。そんな時にトスカが登場。
スカルピアは彼女を自分のものにする為にカヴァラドッシが他の女と一緒だった・・・とかってデタラメを言って嫉妬心を掻き立て、遂にキレたトスカがその場から出て行くと、スカルピアは部下に彼女の追跡を命じます。
第二幕ファルネーゼ宮殿内のスカルピアは自分の部屋で食事をしていると、カヴァラドッシが捕らえられて連行されてきました。
スカルピアはカヴァラドッシに拷問をかけ、アンジェロッティの居場所を突き止めようとしますが、カヴァラドッシは当然の事ながら苦痛に苛まれながらも絶対に白状しません。
広場でカンタータを歌っていたトスカを呼び、カヴァラドッシの拷問での苦痛に苛まれる声を聞かせて彼女からもアンジェロッティの居場所を聞き出そうとします。
恋人の拷問での悲鳴を聞いて耐え切れなくなった彼女は遂にアンジェロッティの居場所を白状してしまいます。
トスカが白状した為に拷問で相当痛めつけられてフラフラになっているカヴァラドッシが引きずり出されてくるのですが、トスカがアンジェロッティの居場所をバラしてしまった事で怒り出します。そこへローマ軍の勝利の報告が間違いであった事が知らされ、カヴァラドッシが喜ぶのを見てブチギレたスカルピアは再びカヴァラドッシを牢獄へブチ込んでしまうのです。
スカルピアはカヴァラドッシを助けるのを口実にトスカに言い寄ります。
関係を迫ろうとする為に恋人を酷い目に遭わそうとするスカルピアの態度にショックを受けますが、しつこく言い寄られてスカルピアが自分と関係を持てばカヴァラドッシは本当は処刑されるが彼の処刑は見せかけにして命は助けてやろうと切り出します。
しかし、まだ納得しないトスカは自分が恋人と国外へ出られるようにする為の書類を要求し、その書類を書いている間に崖っぷちに立たされた様に思い込んだトスカは近くにあったナイフを手に取って、彼を刺し殺します。
邪悪なスカルピアを殺したトスカはその場を立ち去ります。
第三幕アンジェロ城の屋上ではカヴァラドッシが処刑されるのを待っている状態に。。。
自分の死が迫る中、トスカとの思い出を語ります。そこへトスカが登場。
彼女はスカルピアが言ったとおり、銃殺刑の銃の弾は空砲で処刑は見せかけと伝えます。
それで2人で国外へ出られるようになったという事も伝え喜びます。しかし喜んでいられるのもそこまでです。
トスカはカヴァラドッシに銃声と同時に上手く倒れる演技をする様に言うと、カヴァラドッシも納得。
銃殺刑を執行する部隊がやって来て、いよいよ見せかけの処刑が始まります。トスカは不安と緊張を抱きながらもこっそりと見せかけの処刑を見守っています。そして銃声が鳴るとカヴァラドッシはグッドタイミングで倒れました。
余りにも良いタイミングで恋人が倒れたので喜んでいるトスカですが・・・ところが・・・実は恋人は本当に処刑されてしまったのです。
トスカがカヴァラドッシの元へ寄っていくと、彼は既に死亡していました。
トスカは本当に撃ち殺された恋人の亡骸を見てショックを受けていると、スカルピアの部下スポレッタが主人であるスカルピアを殺した犯人として自分を捕らえようとして追ってくるのを察知して、極限状態に追い詰められた彼女は「スカルピアよ!地獄で会いましょう!」とか言う言葉を残して、遂にこの屋上から投身自殺をしてしまいました。。。
YUKIのコメントコーナーこのオペラは何度か観ましたが、凄い内容のサスペンス悲劇だと思います。
嫉妬・拷問・殺人・処刑・自殺という最悪の要素が集結している感じの泥沼サスペンスって感じ。。。
だけど音楽はプッチーニ特有の美しい旋律が流れているのが魅力的です。
これまでに観た中で一番この泥沼サスペンスが露骨に表れていたのは、やはりアラーニャ&ゲオルギュ-夫妻主演の映画版の「トスカ」と感じました。この映画版はルッジェーロ・ライモンディのスカルピアが強烈なくらいに恐ろしい感じだったからです。
この映画版は途中でスタジオシーンも挿入されていたりもしますが、これからこのオペラを観ようと思う人にお勧めです。
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