このオペラは、あの有名な「カヴァレリア・ルスティカーナ」の次に作曲されたオペラのようです。
このオペラは全3幕物で恋愛コメディーで楽しい内容で、女性に全く興味が無い独身主義の主人公が最終的には女の子に恋していくというストーリーです。
この「友人フリッツ」はオペラ自体は日本で上演されているのは、あまり聞きませんが、このオペラの中のスゼールのアリア「僅かな花を」は声楽を勉強している人達の間では有名な曲です。
台本・・・Nicola Daspuro
作曲年・・・1891年
初演・・・1891年10月31日、Teatro Costanzi, Roma
登場人物フリッツ(テノール)
スゼール(ソプラノ)
べっぺ(メゾ・ソプラノ)
ダーヴィッド(バリトン)
ハネゾー(バス)
フェデリーコ(テノール)
カテリーナ(ソプラノ)
あらすじ第一幕場所は19世紀頃のフランス、アルザス地方。フリッツの家の場から始まります。
金持ちの地主であるフリッツの家に司祭であるダーヴィッドが訪ねて来ます。
女性には全く興味が無い独身主義者であるフリッツに司祭は、貧しい小作人の娘にお金を貸してくれる様に頼みます。
独身主義のフリッツも司祭に頼まれて、その娘にお金を貸すことを承諾します。
フリッツが友達と宴会をしていると、小作人の娘スゼールが花束を届けにやってくるのですが、宴会の中にスゼールも加わり、流れる音楽に彼女は涙を流します。これまで女の子に全く興味が無かったフリッツもスゼールのそんな姿に心を動かされていくのです。
司祭はフリッツにもスゼールニも結婚の世話を考えており、フリッツにとっては、その事がイマイチ気に入らないようです。それで彼は結婚するか、しないかで司祭と賭けをする事に・・・それでフリッツは自分の所有している葡萄園を賭ける事に決めます。
第二幕農家の庭先ではサクランボが熟しています。そこでスゼールはフリッツが農地の見回りの為にやって来るのを待ちます。
フリッツが来ると彼女は花を摘んで彼に渡し、そして2人は一緒にサクランボを摘むのです。
そしてフリッツは次第にスゼールに惹かれていき、そこへやって来たフリッツの友人達は彼の顔の表情が今までと違って輝いてきているのに気が付きます。
そこには司祭もいて、フリッツや友人達が農地を見回っている間に、司祭はスゼールに結婚の意志を確かめようとします。
司祭はスゼールに旧約聖書のレベッカの逸話を語り、その司祭が読み上げる物語でレベッカに花嫁になる意志があるのかを尋ねて彼女の返事を聞こうとしたシーンを語った時にフリッツが戻って来ます。
スゼールはいきなりの偶然の出来事で恥ずかしくなってその場を駆け去ってしまうのです。
その後で、司祭がフリッツにスゼールが結婚する可能性がある事を告げると、いきなり動揺し始めて司祭を追い出します。
これまで独身主義で通してきたフリッツはスゼールに心を動かされた為か、混乱してしまって農地をあとにします。
一方スゼールは、自分がフリッツに挨拶もせずにその場を駆け去った事を後悔して涙ぐむのです。
第三幕再びフリッツの家。
フリッツは自分がスゼールを愛している事に気が付きます。そんな時にまた司祭がやって来て、スゼールが結婚する事を告げます。
司祭の言葉にショックを受けたフリッツは頭に来て、その場から立ち去ります。そこへスゼールが果物を届けにやって来ます。
フリッツは彼女に結婚が決まった事を問い掛けると彼女が泣き出すので、彼は彼女を抱き締めてスゼールへの自分の愛を告白します。
フリッツは絶対に結婚しないと言う事で葡萄園を賭け、結局はスゼールを愛した為に自分の葡萄園は司祭の手に渡ってしまいました。
しかし、司祭は葡萄園をスゼールに譲ると宣言して、フリッツの友人達は彼をからかってはいるものの結ばれたスゼールとフリッツを暖かく祝福するのです。
YUKIのコメントこのオペラの中で歌われるスゼールのアリア「僅かな花を」を勉強しています。
この曲はスゼールの純粋で優しい雰囲気の性格が表れた雰囲気のあるアリアだと思います。
このオペラのストーリーって恋愛コメディーでも何となくほのぼのとした雰囲気もあるし、またちょっとずっこけた雰囲気もあるって感じに思えます。
女性に全く興味が無かった主人公が何かのきっかけで恋愛的感情を抱くようになるのって、ちょうど「映画の感想」のコーナーで紹介している「コルベット・サマー」と共通するものを感じさせられます。
けど、このオペラではフリッツとスゼールの間に司祭ダーヴィッドが入ってきているのですが、この司祭が2人の仲を取り持つのに曲がりくどいやり方をやっているのには笑わせられるストーリーです。
[2回]
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