このオペラは、誰もが知っている通り、明治時代の日本の長崎が舞台となったオペラです。
これも、実在の女性がモデルとなっていたようですが、初演では失敗、しかし改訂版で成功を収める事が出来たようです。。。
台本・・・ルイージ・イッリカ、ジュセッペ・ジャコーザ
作曲年・・・1901~1903年
初演・・・1904年2月ミラノ・スカラ座
登場人物蝶々夫人(ソプラノ)
スズキ(メゾ・ソプラノ)
ピンカートン(テノール)
シャープレス(バリトン)
ゴロー(テノール)
ボンゾ(バス)
ピンカートン夫人(メゾ・ソプラノ)
ヤマドリ公(バリトン)
薬師主(バリトン)
あらすじ第一幕長崎の丘の上の庭園のある家の所で、ゴローがアメリカ海軍士官のピンカートンをもてなし、蝶々との新婚の家の案内をしたり女中や下男達を紹介しています。
ピンカートンと蝶々の結婚式にはアメリカ領事のシャープレスも招かれ、ピンカートンは世界を回って自分がやりたい放題をする気質である事を語ります。その時にピンカートンは日本で自分が滞在中に日本人の嫁をもらうが、アメリカへ帰ったら当然の様に別の女性と結婚する事を堂々と言い張っています。
蝶々がピンカートンとの結婚に真剣そうな様子を感じたシャープレスが、日本では日本人の女性と結婚して、またアメリカに帰ってからも別の女性と結婚すると言っているピンカートンに警告をします。しかしピンカートンは全く気にしていません。
結婚式が始まり、友人達に祝福される蝶々にシャープレスが彼女の事を尋ねると、蝶々は、自分は由緒正しい家の娘であったが、没落してしまい、父が切腹になり、その刀が入った箱を見せ、その事で皆は沈んだ様子になるが、ゴローの計らいで再び結婚式の準備が始まります。
蝶々は異国人のピンカートンの妻になる為に、教会へ行ってキリスト教徒に改心する事を告げ、結婚式が始まると、ドラの音と共に僧侶のボンゾが突如現れ、蝶々が改心した事を激しく非難し、結婚式に来ていた客達を引き連れて帰ってしまいます。
ボンゾの怒りに触れてショックを受けた蝶々は泣き出してしまい、そんな彼女をピンカートンは優しく慰め、2人は愛し合っていきます。
第二幕蝶々は自宅でピンカートンの帰りを待ち続けています。
ピンカートンがアメリカへ帰って既に3年が経ちますが、何の音沙汰もありません。女中のスズキは彼はもう帰ってこない・・・と思い込み、そんな彼女を蝶々は叱り付けます。蝶々は愛する夫ピンカートンは必ず自分の元へ帰ってくると信じているからです。
そんな蝶々の所へシャープレスとゴローがピンカートンから蝶々に当てた手紙を持ってきます。当然の事ながら彼女は大喜びします。しかし、その手紙の内容は辛い内容の手紙なのです。その為、シャープレスは手紙の内容をなかなか伝えられずにいます。
そんな時に、シャープレスはヤマドリ公と一緒になる事を勧めますが、蝶々は自分にはアメリカ人の夫がいて、子供までいる事を告げます。蝶々はピンカートンが万が一自分を裏切るような事をしたら、元の芸者生活に戻るか、死ぬつもりでいたのです。
そんな時に、ゴローは蝶々の子供の悪口を言った事で、頭に来た彼女はゴローを追い返すのでした。
そんな時にアメリカの軍艦が入ってきて、蝶々はピンカートンが帰って来たと大喜びします。そしてピンカートンを迎える為に庭の花々を摘み取って部屋に蒔き、彼の帰りを待つのでした。
寝ずにピンカートンを待ち続けた蝶々の元へシャープレスとピンカートンがやって来ます。しかし、アメリカ人の女性も一緒にいた事でスズキはショックを受けて蝶々がどれだけピンカートンの帰りを待ち続けていたかを涙ながらに話します。
ピンカートンは蝶々との間に生まれた子供を引き取るつもりで来たのですが、スズキからの話で自分がやった過ちに公開します。
ピンカートンのアメリカ人の夫人が、スズキに蝶々の子供を自分達の元に引き取るのを手伝うように頼んでいると、蝶々が姿を現し、最初はピンカートンが帰ってきたことで喜びに満ちて彼を探そうとしますが、アメリカ人女性がいる事で自分の置かれている立場を察します。
彼女は自分の子供をピンカートンに託す事を約束しますが、絶望して遂に死を決意します。
子供を外で遊ばせる事をスズキに命じ、一人になって仏壇の前に座って自殺をしようとします。そこへ子供がやって来て、子供に目隠しをさせ、彼女は遂に短刀を喉に突き刺して自殺してしまいます。
ピンカートンが蝶々の名前を呼んで彼女の元へ駆け込んで来ますが、既に手遅れ。彼女は息絶えていました。
YUKIのコメントこのオペラの有名なアリア「ある晴れた日に」をコンサートで過去に歌った事があります。
この蝶々夫人って15歳の少女なのですが、この当時の15歳っていうのは、精神的には完全な大人だったんでしょうねぇ。。。
曲も劇的なドラマティックな雰囲気がたっぷりと表れたものばかりです。
これは由緒正しい家に生まれた少女が、家が没落して父が切腹。悲惨な経験をしてきた中でようやくピンカートンというアメリカ人男性にめぐり合い、幸せを掴んだと思ったら・・・そんな彼にも最終的には裏切られ、遂に自らの命を絶つというのが余りにも悲しすぎます。
音楽的な面では、舞台が日本ということもあって、昔の日本情緒が溢れたメロディーが至る所で挿入されています。
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